キメラ率について

当施設では出産7日目の時点で、毛色を基にキメラ率を主観的に判断しています。4週齢以降なり、体毛がしっかり生えるとキメラ率が上昇したように見えることもあります。

右はC57BL/6(黒)のES細胞をICR(白)の胚に打ち込んだ時のキメラ率の例を示します。うまくいくとどう見ても100%ES由来のマウスが生まれてきます。キメラ率が70%を超えると生殖細胞にもES細胞が分布している確率が上がりますが、30%程度でも子供が生まれることがあります。

半年くらいにわたり100匹以上ホスト由来の子供を生み続けた後で、ES由来の子供が頻繁に産まれ出すということもあります。生殖細胞にES細胞が寄与していないようにみえてもあきらめずにたくさん子供を産ませてみてください。

全く子供を生まない場合など不妊傾向があると思われたらご相談ください。条件がよければ体外受精やICSIなどのassisted fertilizationにより子マウスを得ることができます。

ESをインジェクションされる側の胚の性別が雌の場合(50%のものは雌ですが)、マウスの個体が雄になると、精子はすべてES(雄)由来になりますので、生まれる子供はすべてES由来ということになります。

キメラ率(%)
注:129系統のマウスでキメラを作ると見え方が異なります。

129ES細胞を使った場合のキメラの見え方

129系統のESを使うときにはレシピエントの卵子はC57BL/6系統(ブラック)のものを使います。

右図・真中のキメラマウスがほぼES細胞からでき上った90%超のキメラマウスであることが毛色から判定できます。右側のマウスは黒と茶色の混ざり具合から約50%キメラであると判定します。左端のマウスにはほとんどES細胞の寄与がありません。

129系のマウスはB6系統よりも大きいのでES細胞の寄与が大きいと写真のようにマウスもすこし大きめになります。

129系のマウス

2009-02-23

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